キングコング西野亮廣さんがプロデュース・脚本・作詞作曲を手がける、ミュージカル『えんとつ町のプペル』を家族で観劇してきました!
子どもたちは絵本や映画で知っているお話。私は舞台美術のお仕事もしているので、「この世界を舞台でどう作るの!?」と、親子でワクワクしながら劇場へ向かいました。
(この先は一部ネタバレを含みます。)
幕が上がる前から始まっていた“えんとつ町”
エンタメ空間では「入口の演出」がとても大切。テーマパークと同じで、劇場に入った瞬間から世界観に入り込めるかどうかで没入感は変わります。
『えんとつ町のプペル』は、その点からしてさすがでした☆☆
ロビーには温かな提灯の明かりがともり、独特の音楽が流れ、スタッフの方の応対も雰囲気を壊さない柔らかさ。さらにグッズ売り場は縁日の屋台のようににぎやかで、公演が始まる前から気分が上がります!
そう、「素晴らしい舞台っていうのは、劇場に足を踏み入れた瞬間から、物語が始まっているんだ☆」


舞台に広がる圧倒的な世界観
ロビーから劇場に入ると、、、
わーお!そこには本当に“えんとつ町”が広がっていました。
煤けた建物が折り重なり、無数の煙突が空へと伸び、空は煙で覆われ、地下には炭鉱まである——そんな複雑な「えんとつ町」の街並みを、限られた舞台空間で表現するのは相当難しいことですが、それを見事に実現していました。
舞台美術家の目で見ても、ものすごい細かい工夫が山ほどあってこそ実現できる、(逆に言えば、本当に細かく考えないと絶対に実現できない、)舞台美術です。
さらに素晴らしい工夫!と思ったのは、オーケストラの配置。
舞台後方の上空に設置されることで、演奏用の小さな明かりが“遠くの町の灯り”のように見える仕掛け。
単なる“美しいセット”ではなく、舞台上の全ての空間がひとつの町になるように、徹底的に考えてつくられていました。
子どもたちのリアルな反応
物語が進むにつれて、子どもたちの反応もどんどん変わっていきます。
小学生の娘は、明るくておしゃべりなキャラクター・スコップが登場するたび「いたー!」と大喜び。ルビッチとプペルが追われるシーンでは、手を握りしめてドキドキしているのが伝わってきました。
中3の息子は終演後にひとこと、「この舞台、観れてよかった」。
帰り道には「主人公って実は〇〇だと思う」と自分なりの解釈を熱く語ってくれました。
息子も私自身も胸を打たれた、父ブルーノの「星の歌」
「星を見るにはな、誰よりも長い間、ずーっと上を見続けなければいけないんだ。信じ続けなきゃいけないんだ。」
歌の間にあるこのセリフが、作品全体のテーマをまっすぐに伝えていて、観劇後も息子と「あれはよかったね…」と噛み締めました。
舞台美術家として心をつかまれたポイント
ここからはちょっと専門家目線で。舞台美術家として語らずにいられないポイントがあります。
それは——「高さ」をどう表現するか。
『えんとつ町』には、何層にも重なる家々、無数の煙突、空を覆う煙、地下のトンネル……といった要素があって、リアルに見せるには、とにかく「高さの表現」が不可欠。
限られた舞台空間で高さも奥行きも同時に見せなければならないのです。
今回の舞台は、その課題に大胆な“4層構造”で挑んでいました。舞台の地下(奈落)から役者が登場したり、照明機材がある高さまで人が上がったり。
縦の空間をフルに使うことで「町の高さ」を見せ、高い煙突のてっぺんから上を見上げるというこのストーリーに絶対必要な構図がしっかり成立していました。
私自身も舞台をデザインするときは「高さをどう活かすか」をよく考えます。でも階層を増やすと一つ一つの場所は狭くなり、演技が難しくなったり移動が大変になったりする。だから実はリスクのある構造なんです。
それをあえてやり切り、しかも成功させていたことに、思わず唸りました。
最上部に吊られた、風に揺れる薄布の効果も良かったです。えんとつの上に常に煙が立ちこめる町を上手く表現していました。
客席までも星空に——「これは見たことがない!」
そして、何よりも心を打たれたのは、
クライマックスの「星空」!
照明が美しく点灯し、舞台全体が星空になった!と思った、その瞬間、
客席にも無数の星が……!!!!!
実は開演前から「客席の床がザラザラするな?」と気になっていたのですが、正体はLEDライトを仕込んだ特殊なマット!
観客の足元に星が灯ることで、舞台と客席の境界がなくなり、まるで自分たちも“星空の中にいる”という体感が生まれていました。

客席全部にLEDマットを敷き詰めて星空にする。
普通なら絶対に却下されるレベルのアイデアです。
「こんなの見たことない!」と胸が震えました。
1ヶ月公演のために4億5000万円もの予算をかけたミュージカル。
「それだけかけてでも実現したい光景がある」
4億5000万円もの予算をかけて実現した。その熱意に、同じエンタメの現場に立つ者として背筋が伸びる思いがしました。

家族で持ち帰った最高の思い出
終演後、子どもたちも「あれってどうなってるの?すごかった!」と目を丸くしていて、私も「この仕掛けは普通じゃ見られないよ!」と熱く語ってしまいました。
帰り道には「♪ハロハロハロハロウィン〜♪」と家族で口ずさみながら夜の街を歩いて、そんな光景も最高の思い出☆
ミュージカル『えんとつ町のプペル』は、大人も子どもも、舞台初心者もプロも、誰もが楽しめるエンタメでした☆
ミュージカル「えんとつ町のプペル」
https://musical.chimney.town/
2025年8月9日〜30日
KAAT神奈川芸術劇場にて上演
※オンライン配信チケットを以下のサイトで発売してます
https://chimneytown.net/products/musical_poupelleofchimneytown_2025jp
🌏 tamako☆ | 旅するお祭りプロデューサー/空間デザイナー
人生はお祭り!世界を旅しながら、お祭りやイベントに参加したり、ときには自分で創ったり。
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tamako☆ |旅するお祭りプロデューサー




